名木宏之ブログ① 麻雀牌のものがたり
私家版「名木宏之ブログ」 麻雀牌のものがたり 「遊びをせんとや生まれけむ」――これは平安時代後期に後白河法皇によって編まれた「梁塵秘抄」の中の有名な一節。「戯れせんとや生まれけむ」と続けられて、人間は遊び戯れるために生まれてきたようなものではないかと説いているのですが、これにはしかし深い示唆が含まれております。遊びだからといって"遊び半分"にいい加減に遊んでいては、遊びの本当の面白さはわからない。 本気で大真面目に遊んでこそ初めて本当に遊び戯れることができるのだと、 そう言っているように私には思えるのです。 *このブログは自分としては終わったこととして何年か前に一旦閉じたものですが、データが残っているなら再開してもらいたいとのお声をいただき、以前のままに公開することにいたしました。=含広告= (2025年8月) *パソコン、タブレット、スマートフォンの全対応簡易編集のため、一部見づらい箇所もあるかと思いますが、ご容赦願います。 平 成10(1998)年の夏、私は長い付き合いのあった出版社オーナー (故人) の依頼を受けて、麻雀博物館 (休館中/オーナーの遺志により発祥地の中国に譲渡された) の立ち上げに中心メンバーとして加わった。 私の役目は蒐集された3万点余の膨大な数量の麻雀に関する文物を人文学的・体系的に研究し記録することだったが、彼オーナーは私が麻雀の由来について知悉していたことを踏まえて頼み込んできたのであり、軽く断れないような雰囲気だった。当時進行中の仕事を抱えていたけれども、私以外にはこの仕事は難しいだろうな、という自負する思いも手伝った。 開館予定は翌1999年の4月10日だという。その日は作家・色川武大(阿佐田哲也の筆名で麻雀小説を書いた)の十周忌にあたり、オーナーは故人を偲んでその日の開館にこだわったのだ。 私も阿佐田哲也さんとは縁があり、二十代初めに出版社勤めを始めたとき最初に原稿をいただきに伺ったのがこの人だったというようなことから、かなり親しく...